言語聴覚士になるには
ST(言語聴覚士)になる方法を、国家試験の詳細データと共にご紹介。
ST(言語聴覚士)になるにはどうしたらいいの?
国家試験を受験するための受験資格を得ることができる様々なルート!
高校卒業者の場合は、文部科学大臣が指定する学校(3~4年制の大学・短大)または都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所(3~4年制の専修学校)を卒業することで受験資格が得られます。
一般の4 年制大学卒業者の場合は、指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業することで受験資格が得られます。
以上が一般的なコースですが、言語聴覚士の養成に関わる一定基準の科目をすでに習得している者を対象とした指定校(1年制)もあります。また、外国で言語聴覚士に関する学業を修めた者の場合は、厚生労働大臣の認定が得られれば受験資格が取得できます。
最短コースは、高校卒業後に国が指定した養成校(大学・専修学校)へ進学するコースです。
養成校を卒業すると国家試験の受験資格が付与されます。
お住まいの近くの養成校は、「養成校を検索する」ボタンから検索してみてください。
ST(言語聴覚士)の国家試験は難しい!?
言語聴覚士の資格を得るには、国家試験に合格し厚生労働大臣の免許を受けなければなりません。言語聴覚士国家試験は毎年1回、2月中旬の土曜日に行われます。試験の内容は5肢択一式の筆記試験です。午前中100問、午後100問の計200問が出題されます。合格基準は例年120点以上です。
全体の合格率は60%台と低く言語聴覚士は難しいという印象を受けますが、これは既卒者を含めた合格率です。養成校の新卒者の合格率は80%を超えており、養成校でしっかりと授業の内容を修得していれば合格できる状況であり、それ程の難関ではありません。また、各養成校は最終学年になると国家試験合格に向けた準備や対応が行われます。
言語聴覚士 国家試験DATA
試験開催時期 | 毎年2月 / 年1回 |
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試験開催場所 | 北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県及び福岡県 |
試験方法 | 筆記試験 |
試験科目 | 基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学及び聴覚障害学 |
受験料 | 35,700円 |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |||
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全体 | 新卒 | 既卒 | |||
第19回(平成29年) | 2,571 | 1,951 | 75.9% | 88.6% | 34.8% |
第20回(平成30年) | 2,531 | 2,008 | 79.3% | 91.3% | 36.8% |
第21回(平成31年) | 2.367 | 1,630 | 68.9% | 82.6% | 13.6% |
言語聴覚士の養成校(専門学校・大学)でどんなことを学ぶの?
養成校(専修学校・大学)では、コミュニケーション障害の病態や医学的処置といった医学的な知識はもちろんのこと、人間の心の働きを理解するための心理学や認知科学、ことばや音声のしくみについての言語学や音声学、社会福祉や教育についての科目も学ぶことになります。高卒者対象の養成校カリキュラムは、主に基礎分野、専門基礎分野、専門分野(実習を含む)で構成されています。
「基礎分野」は、一般教養科目と呼ばれるもので、視野を深め、バランスのとれた教養を身につけるためのもので、人文科学や社会科学、外国語などさまざまな分野について学びます。
「専門基礎分野」は、言語聴覚障害学の基礎となる科目です。基礎医学や臨床医学、臨床歯科学といった科目や心理学や言語学、音声学の他、社会保障制度の知識を得るために社会福祉・教育についても勉強します。
「専門分野」では、言語聴覚障害についてさらに深く学んでいきます。失語・高次脳機能障害や言語発達障害、発声発語障害、摂食・嚥下障害、聴覚障害について、その原因や症状、評価・治療法の理論や技術などを講義と演習によって学んでいきます。
養成校(専門学校・大学)の授業は、1年次では講義の割合が多く、徐々に演習や実習が増えてきて、最終学年では臨床実習がメインになります。カリキュラムの規定は、大学と専修学校で同一ですが、実際の授業科目の名称やカリキュラムの組み立て方は養成校によって異なります。また、最終学年の秋ごろから国家試験に向けての準備が始まることが多いようです。