めざせ!ST(言語聴覚士)話す、聞く、食べるのスペシャリスト

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

限られた時間のなかで
患者さんを回復に導く

岩村 友莉 菊名記念病院
岩村 友莉

患者さんの症状にあわせた適切なリハビリを計画する

私は言語聴覚士として、急性期病院でリハビリを行っています。回復期のリハビリは、急性期から1ヵ月ほど経った方を対象に行なうのに対して、急性期のリハビリは、突然病気になられた方の機能低下を最小限に予防するために、入院した翌日からリハビリを始めることもあります。

リハビリといってもいきなり訓練をはじめるのではなく、その患者さんが病気や怪我によってどのような症状が出ているかを評価することからはじめます。言語機能、発声や嚥下能力、記憶力、物がきちんと見えているかなど、直接患者さんと接して、症状を把握し、適切なリハビリの計画をたてていきます。

患者さんにとって最適なその後を見据える

在院日数の短縮化を求められる急性期病院では、急性期治療を終えたら、基本的には自宅に退院をするか、さらなるリハビリの継続のために回復期リハビリテーション病院に転院するか、あるいは老人保健施設のような施設に入所するか、患者さんの今後を見据えた方向性を早い段階で決定しなければなりません。
そのためにも、言語聴覚士である私はもちろん、医師や理学療法士、作業療法士らと話し合い、患者さんにとって最適な方向性を考え、提案していきます。

大切にしていることは早めの情報提供

仕事をするうえで大切にしていることは、患者さんご本人はもちろん、ご家族へ早めに情報提供をすることです。急性期の場合、現状を患者さんもご家族も把握できていないことが多くあります。そのようなときに、患者さんの状態を早めにご本人、ご家族にお伝えすることで、少しでも安心していただけると考えています。

患者さんのなかには、障害が半永久的に残ってしまう方もいらっしゃいます。このようなケースでは、ご本人、ご家族ともに状況を受け入れきれなくてナーバスになることもあります。そういったときこそ、患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら、少しでも前を向いていただけるように心がけています。

急性期という限られた時間のなかでこそ得られるやりがい

急性期の患者さんの場合、症状がまだ重篤で発声ができない、言葉がスムーズに出てこないことにより、コミュニケーションがうまく図れないといったケースがあります。ですが、早期にリハビリをはじめることによって、徐々に声が出せるようになり、笑顔が戻って、さらには徐々にご自分からコミュニケーションをとろうとされるようになったりと、自発的な行動がみられるようになる方もいらっしゃいます。急性期という限られた時間ですが、患者さんに回復が見られたときは、やりがいを感じます。

医療でありながら教育にも近い言語聴覚士に魅力を感じた

言語聴覚士として勤務しはじめて、2019年で16年目を迎えています。私が言語聴覚士という仕事を意識しはじめたのは、高校生のときです。医療職にも様々ありますが、当時の私は教育にも興味があったため、医療職のなかでも、じっくりと人と向き合うことのできる言語聴覚士の仕事に惹かれたのだと思います。

その後、大学で言語聴覚療法学を専攻して、言語聴覚士として必要な知識を学んでいきました。大学では医療面の勉強はもちろん、心理学、音声学、言語学といった高校では学ばないような分野の勉強が多かったため、とにかく講義を一生懸命聞いて、知識を蓄えていきました。

エビデンスを蓄積して次の世代に還元していく

言語聴覚士の現場では、治療や評価法に関する科学的なエビデンスを蓄積していくことが大切だと考えています。エビデンスは、ただ蓄積するだけでなくて、しっかりと次の世代に還元していきたいです。若手の言語聴覚士が成長していくためには、現場で経験を積んでいくのはもちろんですが、蓄積されたエビデンスを基に、しっかりと勉強していくということも欠かせません。若手の方には勉強会に参加するなどして、どんどんスキルアップを図って欲しいですし、私自身も勉強を重ねてエビデンスの蓄積に少しでも貢献しつつ、次世代の育成に携わっていけたらと思っています。

患者さんの心に寄り添ったケアができる言語聴覚士を目指して

今後はこれまで以上に、患者さんの心に寄り添ったケアができる言語聴覚士を目指していきたいです。言語聴覚士として喜びを実感するのは、患者さんが徐々に元気を取り戻していく姿を目にすること。そのためにも、臨床の現場で患者さんの理解を深めてゆけるよう研鑽しながら、今後の糧にしていきたいと思っています。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 08:20
    出勤
  • 08:30~
    ミーティング
  • 08:40~
    カルテにて情報収集 or 勉強会
  • 09:00~
    リハビリ室やベットサイドで臨床業務
  • 12:00~
    食事場面の評価、アプローチ
  • 12:20~
    昼休憩
  • 13:20~
    リハビリ室やベットサイドで臨床業務
  • 16:00~
    カルテ記載、書類作成
  • 16:45~
    カンファレンスに参加
  • 17:30
    退勤