【公式】めざせ!ST(言語聴覚士)

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

相手が求めることに
100%応えられる
言語聴覚士を目指して

志和 智美 社会医療法人 秀公会 あづま脳神経外科病院
医療 介護 成人 維持期 介護予防
志和 智美

地域の健康に貢献する言語聴覚士

私は言語聴覚士として、福島市の介護予防に携わっています。介護予防で対象となるのは、地域の元気な高齢の方々です。なので、そういった方々と、“患者さん”ではなく、“参加者さん”として接しています。介護予防は時代とともに変わっていて、少し前はハイリスクな方にアプローチをする“ハイリスクアプローチ”というところに重きを置いていましたが、現在では、より多くの人のリスクを少しでも軽減する“ポピュレーションアプローチ”がメインとなっています。

そのため、介護予防では地域の皆さんを対象にしています。具体的には、参加者一人ひとりの手をとってリハビリをするわけではなく、みなさんに口から食事をとることをはじめとした、言語聴覚士として知って欲しい健康に関する情報をお伝えしています。

介護予防で協力するスタッフは、地域包括支援センターの職員やケアマネージャー、社会福祉士などです。ただ、私が行くのは、いつもの住民の方の集まりのような場所なので、ひとりで行くことも多々あります。

元気な人を増やしていくということへのやりがい

言語聴覚士に限らず、医療関係の仕事は、所属する病院がある地域の健康に寄与することがやりがいだと思います。それは素晴らしいことですが、それとは別に、介護予防は元気で病気にならない人を増やしていくということにやりがいを感じます。

実際に、参加する方のなかには、旅行に行ける足腰を保ちたいといった理想は持っていても、口から食事をとることの大切には気づいていない方もいます。これは仕方のないことで、当たり前のように食事をしている健康なうちには気づきづらいことです。ただ、そういった方に誤嚥性肺炎との関係性を説明すると、皆さんビックリされて、飲み込みの大切さを理解してくれます。過去には、私の話を聞いてくれた方が別の会に呼んでくれたりして、健康に関する知識が連鎖しているなぁと思ったと同時に、言語聴覚士が地域の健康に関わる意味を見つけたと思えました。

必要としていることに的確に答える

地域の方が健康について興味を持ってくれるのは、みなさんが求めていることに的確に答えられているからだと思います。参加する方の求める情報は地域によって異なります。例えば、私が担当している福島市であれば、福島県庁周辺に住んでいる方と郊外に住んでいる方では欲しい情報が異なりますし、皆さんのもっている知識に違いもあります。そのため、その場その場で必要とされている情報に答えていくようにしています。

教員の道から言語聴覚士へ

元々、小学校の教員を目指していたのですが、ちょうど大学受験の際に、言語聴覚士養成の大学が開校するときいて、入学したのが言語聴覚士の道のスタートです。

医療の分野ということもあり、専門的な勉強が必要でしたが、当時苦手だったのは聴覚に関する項目でした。実習では座学では学びきれないことを学べて、国家試験を受けるときには、聴覚に関して一番得意になっていました。座学で知った知識だけではなく、その情報をより自分のなかに取り入れるためにも実習は大切だと感じます。

介護予防をより広めたい

介護予防に携わり続けた結果、ありがたいことに、介護予防の依頼を受ける回数が増えてきています。当初、私一人で年に十何回と介護予防の会を担当していたのですが、今後はより多くの言語聴覚士が関われるようにして、介護予防をより広めたいと考えています。福島市の介護予防に携わる言語聴覚士を2018年には3人、2019年には5人まで増やす予定です。
一人でやっていたときとは違い、参加する言語聴覚士間で認識を一致させる必要があり、そういった面はいままでになかった大変さですが、地域の健康に寄与できると思えば乗り切れます。

対人援助職であるという意識を常に持って

言語聴覚士は病院でいえば患者さん、予防介護でいえば参加者さんといった、対象者があってこその、対人援助職です。そのため、相手が何を求めているかしっかりとキャッチして、その期待に応える言語聴覚士こそ、本当に求められる言語聴覚士じゃないかなと思います。だから、私のモットーとして、対象の方が求めることに徹底的に寄り添ってみようと思っています。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 08:00
    出勤、法人ミーティング

    法人のミーティングに参加し、病院の予定や入退院の情報、前日入院患者の画像カンファレンスに参加します。

  • 08:30~
    部内ミーティング(朝礼)

    出勤しているリハビリスタッフ全員が集まり、法人の一日の予定を共有します。

  • 09:00~
    法人の各種会議

    法人内で各種開催される法人運営に関わる内容などについての会議に参加します。

  • 10:00~
    デスクワーク

    各種書類等の作成を行います。
    時には、法人内スタッフと日々の業務などについて面談を行います。

  • 12:00~
    昼休憩

    スタッフとお話をしながら職場の職員食堂でおいしい昼ご飯を頂きます!

  • 13:00~
    訪問リハビリ

    利用者さんのご自宅に伺って、訪問リハビリを提供します。

  • 15:30~
    訪問リハビリ終了

    電子カルテへ診療記録の記入や、各種書類の作成を行います。

  • 17:10~
    部内ミーティング (終礼)

    出勤しているリハビリスタッフ全員で共有事項の確認や、翌日への申し送り事項の確認を行います。

  • 17:30
    退勤