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言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

何歳になっても
「言語聴覚士って楽しい」
と言えるようになりたい

芦田 彩 株式会社ツクイ
介護 成人 維持期 終末期 COVID-19対策 在宅ワーク 施設リハ
芦田 彩

全国約1,000人の機能訓練指導員、20,200人の介護職員をバックアップするのが仕事

私の対象領域はデイサービスや介護付き有料老人ホーム(特定施設)を中心に、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅における機能訓練です。ただ、私が実際に訓練を行なうということはあまりありません。現在私は民間企業に言語聴覚士として勤務しており、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、柔道整復師など、事務所や施設で働く職員からの相談を訪問やwebで受けて機能訓練を行なう「機能訓練指導員」の取りまとめやコーディネートを業務としています。

たとえば、柔道整復師の方が機能訓練をしていて、コミュニケーションに困っているとなれば、私は現場に向かい現場の機能訓練指導員が対応できるように訓練方法を伝えるといった業務を行なっています。弊社は全国に機能訓練指導員が約1,000人おり、その人達を全力でバックアップするのが私の仕事です。

"お食い締め”に立ち会うときに込み上げてくる思い

理学療法士、介護士、介護職員、柔道整復師などといったように、仕事で関わる多職種の方に「言語聴覚士っていい仕事だね」と言ってもらえたときは嬉しいですね。

それに加えて、”お食い締め”の場に立ち会うときにも、人のためになったというやりがいを覚えます。"お食い締め”は、患者さんが亡くなる前に口にする食事のことです。亡くなる前はどうしても食欲が出てこないのですが、ご家族や介護士さんが「なんとか一口」という際には、ゼリーやペースト状にした食事を提供します。このときに患者さんが、食事ができてもできなくても、自分は「最期までちゃんとこの人と向き合えた」という思いが込み上げてきますね。

判断が甘いことが多かった新人の頃 先輩からの指導が成長させてくれた

新人の頃は自分の判断が甘いということを理解していなかったんです。リスク管理や人への伝達方法などを自分の知識のみで解決しようとしていたので、先輩から注意を受けることが多々ありました。また、当時は有資格者なんだっていう意識が強くあって…。要は患者さんの症状は言えるけれど、じゃあどうしたらいいかというのがわかっていなかったと思います。

思い返せば、当時は多くの先輩に迷惑をかけたかなぁと思いますが、その経験があったから徐々に成長できたんだと思います。

コミュニケーションや言語で困っている人の役に立ちたかった  勉強は短時間に集中して行なう

言語聴覚士を目指すきっかけは、高校生のときの数学の先生の存在が大きいですね。

その先生が私が在学中に脳卒中で倒れたんです。先生はその後、亡くなられたんですが、最後の言葉が「足し算もできなくなった」という一言だったと知ったときにショックを受けました。恐らく失語症になられていたんだと思うんですが、この話を聞いてから先生のようにコミュニケーションや言語で困っている人の役に立ちたいと思い探した結果、言語聴覚士と出会いました。

専門学校は夜間部に4年間通いました。昼間は働いて夜は学校で勉強という毎日だったので、通勤通学の電車で集中的に勉強するようにしていました。今みたいにパソコンを手軽に購入できるわけではなかったので、ノートやプリント、教科書を活用して勉強していました。

COVID-19対策マニュアルを作成

COVID-19の感染拡大によって、口腔ケアの方法やお客様との距離の取り方に関して、新たなマニュアル作りが求められました。最初にお伝えしたとおり、私は全国の機能訓練指導員をバックアップする立場なので、どうやって COVID-19対策をするかというマニュアル作りを進めました。

さらに、COVID-19によって病院で実習できなかった学生を受け入れたり、職員の離職を防いだりといったように、COVID-19感染拡大から派生した問題にも対処していました。

生活を見る言語聴覚士になるために研鑽を重ねていく

言語聴覚士、とくに在宅での機能訓練やリハビリに対応できる言語聴覚士はまだまだ少ないと思います。この問題を解決するためには学生の頃からもキャリア形成を意識させるといったように教育を見直す必要があると思います。

また、生活を見る言語聴覚士も少ないように感じます。たとえば「トイレに行ければいい」「食事がとれればいい」というリハビリが組まれることがありますが、食事がとれることだけが生活の楽しみではないはずです。もっと患者さんの生活に寄り添ったケアができる言語聴覚士が増えればいいなぁと思っています。

私自身もそのような言語聴覚士に近づくために、もっと研鑽を重ねていきたいです。私の知っている言語聴覚士の方は70歳、80歳
の先生もいらっしゃいます。言語聴覚士の黎明期から活躍されているにも関わらず、いまだに「言語聴覚士って楽しい」っておっしゃっているんです。私も長く言語聴覚士として活躍して、少しでも社会に貢献したいと思います。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 08:30
    出勤(在宅ワークの場合)

    PC起動しメールチェック、問い合わせに返答

  • 09:30~
    管理職としての書類の提出、方々から提出された書類のチェック
  • 10:00~
    人事、加算収支(経営)、システム、(各々テーマの会議)
  • 12:00~
    休憩
  • 13:00~
    研修対応or会議
  • 15:00~
    資料作成、事務作業、問い合わせの電話対応、関係各所との連絡
  • 16:30~
    同僚との振り返りor上記業務実施
  • 17:30
    業務終了