めざせ!ST(言語聴覚士)話す、聞く、食べるのスペシャリスト

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

被災地で感じた
対ヒトとして向かい合うことの
大切さ

岩村 秀世 藤元総合病院
岩村 秀世

被災地で感じた対ヒトとして向かい合うことの大切さ

私は現在、藤元総合病院で、急性期、回復期、維持期、周術期〜小児外来、訪問リハなど多岐にわたる対象領域を担当しています。また、最近では地域活動にも力を入れており、隔週の1歳半検診、3歳半検診や、地域の会議に参加しています。現在の職場には14名の言語聴覚士がいるのですが、ここまで幅広い領域の作業をさせてもらっているのは私だけで、いい経験ができていると思います。

病院での作業、地域活動に加えて、災害リハビリテーションとして被災地に赴いたこともあります。私が向かったのは、熊本地震災害と西日本豪雨災害の避難所です。災害リハビリテーションはJRATをいくつも団体があり、当然私は言語聴覚士として参加しました。

具体的には避難所で誤嚥性肺炎や言語障害の評価を行なっていたんですが、それ以外にも避難している方と一緒に体操をしたことも挙げられます。

医療行為だけでなく対ヒトとして向かい合うことがやりがいにつながっている

私は災害リハビリテーションを含む、さまざまな領域に携わらせてもらっています。なかには「言語聴覚士って何するの?」と聞かれることもありましたが、少しずつ役に立ちたいという思いを忘れずにしています。言語聴覚士は専門職ですが、自分は専門家であると鼻を伸ばすのではなく、患者さん第一で接するということが大切。たとえば災害リハビリテーションに向かった際は、「手洗い場を一緒に探してほしい」といったように言語聴覚士の技術は関係ない頼み事をされました。こういった雑務と呼べる作業もこなすことで、徐々に心を近づけていけると思いますし、医療行為だけではなく、対ヒトとして向かい合うことが、やりがいにつながると思っています。

最期の瞬間に立ち会うことは辛いがたくさんの感謝の言葉に救われる

リハビリというと症状が改善されて良くなるイメージですが、終末期の方の場合、リハビリはどうやってその人らしい最期を迎えるために行なう側面もあります。

なので、終末期の方であれば最期に食べたい物を食べたり、ご家族に対する想いをDVDで撮ったりと、その方がやりたいことをやるために必要な機能を訓練していくという感じです。この最期の瞬間はどうしても感傷的になってしまいます。もちろん、患者さんから「好きなものを食べられてよかった」、「手紙を書けてよかった」といったように感謝の言葉をもらうと嬉しさも込み上げてきます。

実習を経験して勉強にやる気が出た

私は元々、介護福祉士を目指す高校に通っていて、当時は介護福祉士になろうかなと思っていました。ただ、現場実習でご飯が食べられない方の姿を見て「こういう人達が少しでもご飯を食べれるようになったらな」と思い、言語聴覚士を目指すようになり、専門学校へ入学しました。

実際は1〜3年生まで、あまり勉強が楽しくなかったのが本音です。ただ、実習に行って患者さんと向き合うと「しっかり勉強して言語聴覚士になりたい!」と思うようになり、そこからスイッチが入ったかのように勉強に熱が入りました。そして、ただ勉強するだけでなく、実習後は楽しく勉強できた思い出があります。

COVID-19感染拡大で増えたストレスを解消するために動画や写真を家族に共有

COVID-19感染拡大によって病院は面会制限を設けるようになりました。そうなると入院されている患者さんはご家族に会えないストレスを抱えてしまいますし、ご家族もストレスを溜めてしまいます。このストレスを少しでも解消するために、患者さんの様子を動画や写真で撮影してご家族に送ってあげたり、手紙を送ってあげたりといったことを心がけています。

地域のすべての年齢の人の役に立てる言語聴覚士になりたい

私は学会に参加して発表する機会がある一方で、そこに留まってはいけないなという思いもあります。ひとつの領域のスペシャリストになるのも素晴らしいことですが、私が目指すのはなんでも診れて質の高い言語聴覚士なので、もっと見聞を広めていきたいと思っています。

また、地域の方みんなの役に立てる言語聴覚士も目指していきたいです。現在は小児から高齢者の方まで対象としているので、その経験をもっと培って、私ひとりがいれば地域のみんなの悩みをケアできるような言語聴覚士になりたいです。地域に根ざした言語聴覚士を目指している過程で、言語聴覚士の魅力ももっと多くの人に伝えていきたいと思っています。言語聴覚士を目指すという中学、高校生はまだ少ないので少しでも、この仕事の魅力を伝えられればと考えています。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 07:45
    出勤
  • 08:00~
    朝礼
  • 08:10~
    部門ミーティング

    一日の流れや伝達事項の確認を行う

  • 08:30~
    朝の清掃

    訓練室や訓練道具、小児訓練おもちゃなどの清掃・消毒を行う

  • 09:00~
    訪問リハビリを中心に管理業務

    訪問リハスタッフの介入データや必要書類等の作成を行う

  • 10:00~
    入院リハビリ

    がんや脳卒中などで悩む成人のリハビリを中心に実施

  • 12:00~
    休憩
  • 13:00~
    後輩の臨床や研究の相談対応

    臨床や研究で悩みがある後輩スタッフの相談対応を行う

  • 13:30~
    訪問リハビリ

    利用者さんの御自宅に訪問しリハビリテーションの実施

  • 15:00~
    小児リハビリ

    構音障害や吃音、自閉症で悩む子供のリハビリを中心に実施

  • 17:00~
    カルテの記載やカンファレンス書類の作成
  • 17:30
    帰宅