【公式】めざせ!ST(言語聴覚士)

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

「あなたに担当してもらって
良かった」と患者さんから
言われる言語聴覚士を目指して

園田 さくら 医療法人寿芳会 芳野病院
医療 成人 COVID-19対策 在宅リハ
園田 さくら

私は現在、医療法人寿芳会 芳野病院に勤務しており、回復期病棟や地域包括ケア病棟で経験を積み、現在は訪問リハビリテーションのSTとして嚥下障害の患者さん、構音障害や失語症の患者さん、高次脳機能障害の患者さんを対象に治療をしています。

訪問リハビリテーションは病院でのリハビリテーションよりも生活に根差しており、自宅で食事を安全に摂るためにはどうしたらいいか、家族とコミュニケーションを図るためにはどうしたらいいかなどを中心にアプローチしていきます。

訪問リハビリテーションは基本的に週に一度、40分程度行なっています。訪問する際は、事前に他職種の方やご家族と連携を取って、情報を共有しています。

やりがいを感じるのは「患者さんから感謝の言葉をいただいたとき」

やりがいを感じるときは、患者さんから感謝の言葉をいただいたときですね。以前、嚥下障害と構音障害の患者さんの訪問リハビリテーションを担当したことがあります。その方はもともと社交的な方だったとのことですが、私が介入した際は表情が暗くて元気がないように感じたんです。

そこで少しでもその方の気持ちを引き出そうと思い、発声面の機能的なアプローチをしつつ、「色んな方とコミュニケーションをとってください」といったお願いをしてみたんです。また、訓練の際には一般的な訓練教材を用いるだけでなく、その方が以前勉強されていたスペイン語に訳してもらいながら発声訓練を行うこともありました。すると声も出るようになり、表情も明るくなっていき、「本当にありがとう。」といった感謝の言葉をいただきました。その時はとてもやりがいを感じましたね。

患者さんに寄り添ってモチベーションを高めるようにする

患者さんの求めていることと能力にギャップがある場合、葛藤を抱きます。例えば患者さんが「ご飯が食べたい」と思っていても、能力が追いつかないとご飯が提供できません。そんなときは、患者さんの歯がゆい思いを少しでも解消するために、食べやすい物から食べるといった目標を設定して、患者さんのモチベーションを高めるようにしています。

言語聴覚士を目指したきっかけは「人に関わる・役立つ仕事がしたい」という思い

私が言語聴覚士を目指したきっかけは高校生のときです。大学の説明会に参加した際に言語聴覚士の存在を知って、人に関わる仕事がしたい、役に立つ仕事がしたいという思いを持っていた私にピッタリな仕事だなと感じて志望しました。

高校卒業後、専門学校に入学して言語聴覚士になるために、日々勉強を続けました。専門学校時代、1年生の時は解剖学とか生理学とか基礎的な勉強をしていたのですが、高校では習わないことだったので、とにかく大変だった思い出があります。

感染症対策を万全にしたうえで訪問リハビリテーションに臨む

COVID-19の感染拡大によって、訪問リハビリテーションの際はフェイスシールドの着用や手指消毒などを実施しています。

家族や利用されているデイサービスで感染者が発生した場合は、訪問リハビリテーションを休むという規定を設けていますが、COVID-19による訪問リハビリテーションの減少はあまりなかったように思います。初回の緊急事態宣言の際は、患者さんから「しばらく休みます」と連絡があり、一時期中止になったケースがありました。今後もCOVID-19が終息するまでは感染対策を万全に治療していくつもりです。

机上の課題だけではなく生活に根ざしたリハビリを提供したい

訪問リハビリテーションでは病院内でのリハビリテーションとは異なった課題がたくさんあると思っています。

訪問リハビリテーションの場合、生活に密着したリハビリテーションを提供する必要があり、例えば失語症の方でしたら言葉を出す練習だけでなく、日常生活で他者に気持ちや要求を伝える方法を提案していくことも必要ですし、介助者が近くにいない時は相手を呼ぶことができるかといったことも重要となってきます。今後はその点をより意識していき、机上の課題だけではなく、実際に生活の困った場面で役立つようなリハビリテーションが出来ればと思っています。

利用者様の思いに答えられるような生活に密着したリハビリを提供することで、患者さんに「あなたに担当してもらって良かった」と言ってもらえるような言語聴覚士になれればいいなと思っています。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 08:25
    朝礼

    1日のスケジュールを確認します。

  • 09:30~
    院内患者様のリハビリ

    入院患者様(回復期病棟、地域包括ケア病棟)の訓練を行います。

  • 12:30~
    休憩
  • 13:30~
    訪問リハビリ

    3名ほどの自宅に訪問し、訓練を行います。

  • 17:00~
    書類業務

    カルテや必要な書類等を記載します。

  • 17:30
    業務終了