めざせ!ST(言語聴覚士)話す、聞く、食べるのスペシャリスト

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

基礎を築いた先に
言語聴覚士としての
新しい可能性が広がる

小田原 守 鶴田病院
小田原 守

栄養だけでなく食事の楽しみを再認識してほしい

私は現在、ガン患者さんのリハビリをメインに行なっており、その一環としてリハ栄養にも取り組んでいます。

病気で入院されている患者さんは、それぞれの症状でどうしても食欲がわかないといった方もいます。特にガン患者さんとなると、病気のそのものの症状だけでなく、抗ガン剤治療の過程で食欲がわきづらくなってしまい、栄養障害につながってしまいます。このような障害を引き起こさないためのリハビリがリハ栄養です。

ガン患者さんの場合、患部を切っているために物理的に食事ができないという方もいらっしゃいます。
たとえば舌ガンの患者さんであれば舌を切除されている方もいます。
そのような方に対して、安全に食事をする方法をお伝えして、その食べ方に適した口腔機能の活かした方などをお伝えしています。
口腔機能にハンディを持っている方には、なにが食べられるかといった食品選定や加工方法までをお伝えして、
患者さん本人に理解してもらってから食事が回復していくと考えています。

食は栄養以外にも生活における楽しみのひとつです。
この楽しみをもういちど味わってもらうためにも、ドクターはもちろん、管理栄養士、看護師、歯科医師といったチーム医療でリハビリに臨んでいます。

患者さんそれぞれにあった目標を達成した瞬間にやりがいを感じる

患者さんが回復していく姿を目にすると、非常にやりがいを感じます。ただ、患者さんそれぞれによってゴール地点は異なります。そのため、「話せた」「食べられた」というゴールに到達したことだけを肯定するのではなくて、その患者さんにあったゴールに向かっていくにはどうしたらいいんだろうと、スタッフ間でコミュニケーションをとって達成につなげていくことが大事だと思っています。

医療者側という視点は持たずに接すること

入院している患者さんたちは、みなさん私達となんら変わりはありません。どうしても病院にいると医療者側の立場から治療の方針を伝えてしまいますが、患者さんたちからすると、勧められた治療方針に対して「ちょっと大変そうだな」と感じているのだと思いますし、私達、健康の人であってもそう感じるときはあると思います。
だからこそ、医療者側という立場ではなくて、同じ感覚を共有して生活している方として接するように心がけています。

学生時代に必要なのは想像力とコミュニケーション能力の研鑽

言語聴覚士という仕事を知ったのは、就職案内のパンフレットです。このパンフレットにはさまざまな職業が網羅されていましたが、言語聴覚士は「言語のリハビリ」「語学のリハビリ」と説明書きがされていて、なにか他の職業と違って面白そうだなと思い目指しました。

私が専門学生だったころは、理学療法士、作業療法士と比べると言語聴覚士の教科の方が多くて、テストが大変でした。座学だけでは、勉強している事象がどういったことなのかが、感覚的に分からず、とにかく暗記を繰り返していました。ですが、ただ暗記するだけではなくて、同時にイメージを持つことが大事だと思います。イメージが湧かなければ、臨床を行っていた先生たちに質問して、具体的なイメージを持つことが理解にもつながると考えています。

ただ、私は高校から専門学校を経てそのまま病院に勤務をはじめたので、アルバイトの経験はありましたが、
病院のように大人数の先輩や上司がいるなかでは仕事をしたことがありませんでした。
そのため、大きな組織で働くうえで欠かせない社会人として振る舞いや
コミュニケーションの取り方には苦労しました。
このような、社会で必要なコミュニケーション能力を学生時代に磨いておくことも大切だと思います。

言語聴覚士をライフワークにするために

言語聴覚士の場合、検査の進め方、訓練の方法をマニュアルに沿って行うという基礎があり、この基礎を大切にしないといけないと思っています。ですが、その反面、基礎から一歩進んだ領域にも身を置いてみたいとも考えています。

私にとって言語聴覚士はライフワークですが、仕事をして生活を続けていく以上、給与も関わっていきます。そのためには、自分の強みを武器に次のステップに進んでいかないといけないと思っています。私の場合であれば、臨床の現場にずっといたという強みがあるので、臨床研究家としての道も開けるかもしれません。このように、自分の魅力やスキルを上手に活かせば、言語聴覚士としての可能性が大きく広がっていくはずです。だからこそ、そのために、基礎をしっかりと築いて、その後に応用できるようにしていく必要があると思います。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 08:15
    出勤

    その日一日のリハビリテーションスケジュールの確認。患者さんのお部屋へ行き、リハビリ時間をお伝えする。カルテ記録確認。

  • 08:45~
    朝礼

    リハビリテーションセンター全体の予定の報告、確認。

  • 09:00~
    午前のリハビリテーション開始
  • 11:00~
    がんリハビリテーションカンファレンス
  • 12:00~
    新しい入院患者さんの食事場面の確認

    もしくはリハビリテーションで摂食訓練を行う。

  • 12:30~
    休憩
  • 13:30~
    ビデオ嚥下造影検査(VF)への参加

    入院患者さんの喉の状態の確認をDr.と歯科医師、看護師、放射線技師とともに行う。

  • 14:30~
    午後のリハビリテーション開始
  • 16:30~
    リハビリテーションの記録を電子カルテへ入力する
  • 17:00~
    言語聴覚科内のミーティングを行う
  • 17:20~
    清掃作業

    ST室の清掃を行う。

  • 17:30
    業務終了

    家へ帰る。