めざせ!ST(言語聴覚士)話す、聞く、食べるのスペシャリスト

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

患者さんからもらった
エネルギーを倍にして返せる
言語聴覚士を目指す

中嶋 崇博 山梨県立中央病院
中嶋 崇博

チーム医療として臨むリハビリは常に中心に患者さんを意識

私は山梨県立中央病院に言語聴覚士として勤務しています。当院は、山梨県唯一の三次救急医療機関であり、救急医療・周産期医療・がん医療に注力しています。

そのような病院において、言語聴覚士して小児〜成人の外傷に伴う救急患者、脳血管障害、哺乳障害、がんなどの患者さんを対象としています。

当院は山梨県の救急医療の最後の砦であるのと同時に、がん診療連携拠点病院でもあり、緩和ケア病棟も有しています。そのため、術前後のがん患者さんへのリハビリのみならず、緩和期の患者さんへのリハビリも提供しています。

具体的なリハビリ方法は患者さんの症状によって異なりますが、発症直後・術後の機能回復を図るのに加えて、がん患者さんのように、その後手術を控えている患者さんに対しては、手術によって低下が予測される機能を評価しつつ、残存機能の強化、代償手段の獲得訓練などを術前から行なっています。

リハビリを行なう際は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど、多くの職種と情報を共有し、チームでの医療を提供しています。チーム医療を提供するうえでは、その中心に患者さんがいるということを常に意識しています。そのため、患者さんの要望やサインを見落とさないように、チームで連携をしてケアに臨んでいます。

やりがいを感じるのは患者さんやご家族に笑顔が戻ったとき

言語聴覚士としてもっともやりがいを感じるのは、患者さんやご家族に笑顔が戻ったときですね。たとえば、入院時には意識障害が強く意思疎通ができなかった、食事が摂れなかった患者さんが、ケアを続けたことで笑顔が戻ってくる、食事を経口摂取できるようになったときにやりがいを覚えます。

リハビリを行なううえで大切にしているのは、機能回復のみを意識し過ぎないということです。機能回復のみを意識してしまうと、自己満足のリハビリ提供になってしまいます。
リハビリ職の特権は、患者さんや家族が笑顔になる瞬間を一緒に共有できることだと思っています。そのため、自己満足のリハビリではなく、常に患者さんやご家族の立場からリハビリを提供するように心がけています。

自分のリハビリに自信がもてないときは周囲の励ましと活躍に元気をもらう

当院は急性期病院であることから、患者さんの入れ替えが多く、言語聴覚士1人あたり年間180名程度の患者さんを担当します。もちろん、患者さん一人ひとりに最善のリハビリを提供できるように、毎日訓練効果を評価しながら診療に臨んでいますが、訓練結果として現れない場合があります。そういった場合、自分のリハビリに自信がもてなくなってしまうこともあります。そんなときは同僚や地域の先輩言語聴覚士に相談して、自分自身のリハビリ内容を振り返りつつ、周囲の励ましと活躍から元気をもらっています。

言語聴覚士を目指すきっかけは“言葉のリハビリ”という案内に惹かれて

私が言語聴覚士を知ったきっかけは、高校時代に通っていた予備校で見かけたリハビリ職の案内です。実は当時の私はとくにやりたいこともなく、漠然と大学に進もうとしか思ってなかったんです。ですが、リハビリ職の案内に書かれた"言葉のリハビリ”という領域に魅力を感じて、言語聴覚士を目指しました。

言語聴覚士を目指して大学入学後、毎日の勉強は大変でしたが、自分が興味を持って志した道だったので楽しさの方が勝っていました。国家試験の前も同級生と通学中に問題を出し合って通学するといったように、楽しく勉強に臨めていましたね。

COVID-19はリハビリ室の環境を大きく変化させた

2019年末より感染拡大したCOVID-19対策として、リハビリ待合室での密を回避するために、多職種と連携した時間調整や外来・入院患者の動線を分けるという工夫をしています。

リハビリの際にもCOVID-19対策を心がけています。たとえば、嚥下障害の方へのケアは、
接触・飛沫感染のリスクが高いと考えられるため、アイゴーグルの着用やパーテーション越しでリハビリを行なっています。COVID-19の蔓延はリハビリ室の環境を大きく変化させましたが、感染症対策を見直す良いタイミングとして捉えて、毎日の臨床に励んでいます。

自分自身の知識を高め発信・共有していく

救急領域や周産期領域、がん領域など、さまざまな領域を経験してきたなかで、常に知識をアップデートしていく必要があると感じています。そのため今後は、自分自身の知識を高めていくのはもちろん、その知識を発信・共有して後進の育成にも努めていきたいです。

そして、患者さんからもらったエネルギーを倍にして返せる言語聴覚士になれるように、常に患者さんに寄り添える臨床に励んでいきたいです。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 07:30
    出勤

    予約患者の情報収集。

  • 08:00~
    カンファレンス

    整形外科・消化器外科等、各種カンファレンスに参加します。STは主に消化器外科(がん患者)カンファレンスに参加しています。

  • 08:30~
    科内ミーティング・環境整備

    一日・一週間の予定の共有やスタッフルーム・訓練室の清掃をリハビリスタッフ全員で行います。

  • 09:00~
    臨床

    ベッドサイド・訓練室でのリハビリを実施します。

  • 12:00~
    臨床(食事評価)

    安全に経口摂取ができているかを確認しに病棟を回ります。

  • 12:30~
    昼休憩
  • 13:30~
    臨床

    ベッドサイド・訓練室でのリハビリを実施します。

  • 15:00~
    嚥下外来

    耳鼻咽喉科医師・看護師・STにてVE検査、VF検査を実施します。

  • 15:40~
    臨床

    ベッドサイド・訓練室でのリハビリを実施します。

  • 16:30~
    嚥下カンファレンス

    嚥下外来での検査結果を、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・STで共有し、治療方針を検討します。

  • 17:15~
    業務終了

    カルテの記入や、サマリー作成などを行います。

  • 18:30
    退勤