めざせ!ST(言語聴覚士)話す、聞く、食べるのスペシャリスト

言語聴覚士インタビュー

言語聴覚士インタビュー

相手の思いや気持ちを
汲み取れる、人として魅力的な
STを目指して

名和 いづみ 三鷹中央学園三鷹市立第七小学校ポプラ学級/東京都立調布特別支援学校
保健・福祉 教育 小児
名和 いづみ

ご本人や先生、保護者の思いを尊重し、負担のかからない提案を行って課題解決を目指す

私は現在、STとして月に数回学校を訪問し、アセスメントと助言・提案を行う仕事に就いています。
その日依頼された児童・生徒さんの様子を観察評価するケースと、気になる事項について簡易的に検査してから行う場合の2パターンありますが、どちらも準備に長く時間をかけられるものではありません。
そのため、過去の記録や先生方のお話、何気ない言動から得られる手がかりなど収集し、情報をまとめて課題を整理する必要があります。
先生のキャラクターや現実的なクラス運営をイメージしながら、どうしたら児童や生徒さん、先生が本来の力を発揮しやすいのかを考えて助言・提案することを心がけています。
一方的にこちらの意見を伝えるだけでは意味がないので、児童・生徒さんや先生、保護者の方の思いやこれまで行ってきたこと、経緯などを踏まえながら、なるべく負担のかからない提案を行うようにしています。

先生や保護者の方から喜ばれると、また頑張ろうという気持ちになる

先生方は、それぞれの思いを胸に、児童・生徒さんに熱心に関わっていらっしゃいます。
だからこそ、こちらもその思いに応えたいと思っていますが、自分のアセスメントや助言、提案が先生方の役に立っているのかどうか、きちんと寄り添うことができたのか、毎回不安になります。
ただ、先日いろいろな病院や施設を巡ってきたという保護者の方から、「やっと腑に落ちました」と感謝されたことがありました。
短時間で最適解を導き出せる問題ではありませんが、保護者の方の分を少しでも払拭できたのなら、STとしてはもちろん、私自身もいち保護者としてとても嬉しく思います。
他にも、先生から「そういう方法もあるんですね」と感動してもらったり、自分が提案したことがクラスに導入されたりしているのを知ると、また頑張ろう!という意欲が湧いてきます。

限られた時間で伝えることに難しさを感じる

アセスメント後は、先生方の貴重な時間をいただいて振り返りの場をもうけてもらっているので、先生の思いや気持ちを汲みつつ、どのように話を展開していけばよいか、試行錯誤を繰り返しています。
私は過去に、入院病棟でのリハビリと、退院して自宅に戻られた方の訪問リハビリを担当していたことがあるのですが、病院と自宅では求められることが大きく異なります。
自宅では私ではなく、ご本人やご家族がリハビリや生活に取り組まなければならないので、その方やご家族に合った効率的かつ効果的なアプローチを提案する必要があります。
学校でもそれは同じで、実際に関わる人の立場になって助言・提案することがとても大切です。
まだあまりコミュニケーションを取れていない先生や、対面したことのない保護者の方が抱える悩みや思い、ライフスタイルなどを考えながら、短時間で何をどのように伝えればいいのか、いつも悩んでいますし、日々模索しているところです。

子どもたちの日々の成長や様子を間近で感じられるのが大きな楽しみ

個人的には、学校そのものに懐かしさを感じながら、自分の子どもたちが過ごしている様子を想像しながら働けるところに魅力を感じています。
友達と遊んでいるときや、好きな活動を行っている子どもたちの姿を見ると「うちの子たちもこんな風にしているのかな?」とか、「今の子どもたちはこんなことを考えているんだな」などと想像したりして、自然と顔がほころびます。
私が学校で働いている時間は短いですが、子どもたちの日常の成長や様子を目の当たりにできるのは、年間通じてこの仕事に携わっているおかげだと思っています。
また、私は学校の他に支援センターでも仕事をしていますが、就学前の小さなお子さんたちや、保護者の方たちの未来のために、まだまだできることがあると認識できることにも喜びを感じています。

家庭にどこまで立ち入るべきか判断に悩むことも 前向きに生活を改善できるお手伝いをしたい

成長・発達の土台となる食事や睡眠といった基本的な生活習慣から変えていかないと、なかなか結果が出ないと感じることが多いです。
人のベースとなる心身の健康あっての学校教育なので、まずは子どもの成長を支える大人の意識を変えていく必要があります。
そのためには、子どもが多くの時間を過ごす家庭にもアプローチしなければなりませんが、どこまで立ち入るべきかの判断に難しさを感じています。

この課題を解決するには、お話しできるだけの知識を得ていくこと、相手が受け止めやすいように、その人の立場に立った言葉かけを学んでいくことが不可欠かと考えています。ことばや摂食の課題について理解を深めてもらいながら、できるだけポジティブに日々の生活に意識を向けられるお手伝いをしていきたいです。

たくさんの経験と知識を積み、「この人なら」と思ってもらえるSTになりたい

知識や経験が豊富で、専門性の高いSTも格好いいのですが、「この人と話したい」「この人なら何とかしてくれる、一緒に考えてくれる」と思ってもらえるようなSTになりたいですね。
組織で仕事をする以上、ある程度の枠組みはありますが、せっかくご縁があって関われるのなら、できる範囲で自由に、楽しく接していきたいと思っています。
専門領域を学ぶのはもちろんですが、「専門じゃないからわからない」と投げ出さないよう、いろいろな場に出向いてたくさんの人と接し、さまざまな経験を積んで多くの引き出しを持てるような、人として魅力のあるSTを目指していきたいです。

ある一日のスケジュール

Schedule
  • 09:10
    準備

    今日のケースとスケジュール、依頼内容を書面で確認します

  • 09:30~
    観察評価

    授業に参加し、2〜3名の評価を行います

  • 12:00~
    摂食評価

    依頼内容が「摂食」でなくても、確認させてもらっています

  • 12:30~
    休憩

    過去の記録から経過を把握するなどして、できるだけ多くの情報を拾う時間に使います

  • 13:30~
    午後の活動内容により、授業に参加
  • 14:00~
    記録
  • 15:30~
    ケース会議
  • 16:30
    業務終了